2013年。南阿蘇の「耕さない田んぼ」で観察されたヘイケボタルに関連する情報を紹介しています。
風はおだやかなのだが、遊び回るヘイケボタルの数が少ない。
どうも、最盛期を終えた様子である。
発生時期が平年と変わらなかったゲンジボタルも個体数を減らしているようで、少し寂しい様相になってきた。
全体の撮影を行っても仕方ないので、畦の草の茎や葉に沿って歩き回りながら、発光しているヘイケボタルを、約68秒のシャッター開放にて、撮影してみた。
2011年6月8日付けのくまにちに掲載されたヘイケボタルの写真と同様の画像が欲しいのだが、なかなか、難しい。
ヘイケボタルの活動は、日が落ち、あたりが薄暗くなる8時頃から約1時間ほどである。
今夜は、風がおだやかになったため、ヘイケボタルも田んぼに飛び立ち始めたので、感度(ISO 1600)を上げて撮影してみた。
ゆるやかな光の曲線になっているのがゲンジボタルの発光跡で、田んぼや畦で光の点になっているのがヘイケボタルの発光跡である。また、ヘイケボタルは、苗の葉に沿って歩き回るので、右手前の線上の発光跡もヘイケボタルである。
ヘイケボタルの発光量は、ゲンジボタルと比べると圧倒的に小さいため、カメラから遠くなると撮影が難しくなる。
昨日、ホタル鑑賞会に来ていた「阿蘇のなか」さんも感激してくれたようで、ブログにホタル観賞の感動を綴っているので紹介する。
「阿蘇のなか」店長のブログ:http://asononaka.com/blog/archives/1026
本人の評価よりも第三者の評価の方が信憑性があると思うので・・・。
日を追う毎に個体数を増やしているヘイケボタル。昨晩はかなりの強風のため、飛び立とうと試みる者はいなかったが、今夜は昨晩の風より弱めとは言え、まだ強い風がふく中を待ちきれず、田んぼに向かって飛びだしていた。
だが、風にあおられ、飛行体制を維持できずに急降下して苗につかまり、なかなか飛び立てずにチカチカと光を放っている。数はまだまだだが、田面に星空ができてたようである。
勢い余って少々高く飛んだヘイケボタルは、風下の慣行栽培田や竹藪まで飛ばされ、戻ろうにも風に向かって飛ぶ力はない様子。だが、思わず、「ほ、ほ、ほたるこい、あっちのみずは
にがいぞ、こっちのみずは あまいぞ、ほ、ほ、ほたるこい」を口ずさまずにはいられなかった。
日増しに個体数を増やしているヘイケボタルは、田んぼB郡全体で数百匹は羽化していると思われる。
田んぼB郡の畦で発生している事が観察されているが、何故か、田んぼB3が一番多く観察され、ついで田んぼB1、田んぼB2の順である。
今夜は白川の支流沿いを飛び交うゲンジボタルを数匹、田んぼB1とB2の境にある遊び地の草むらでも数匹確認できたほか、田んぼB郡の畦沿いのあちこちで観察することができた。
ゲンジボタルは発生の時期が昨年同様と考えると、観察される個体数としは少ないことはない。もしかすると、支流を流れる水は大本が湧き水なので、今年と去年とで温度差が小さく、発生が前倒しされるほどではないのかも・・・。
今年の梅雨は、まだ、昨年のような豪雨には見舞われていないが、観察を始めてからおだやかな風の日がなく、優雅に飛び交う光景を観られていない。
今週から来週にかけての天気予報では梅雨は中休み状態のようだ。
浴を張りすぎかもしれないが、おだやかな風の日が欲しい!
そうなると、草むらで待機しているヘイケボタル達も、一斉に田面を飛び交う様が観察できるはずである。
今年は桜の開花が早まったが、ヘイケボタルも同様に、昨年より10日前後早く、5月の半ば頃から羽化が始まった。
一方、白川の支流沿いを飛び交うゲンジボタルの数が昨年と比べて激減状態である。昨年は、ヘイケボタルの羽化よりゲンジボタルの羽化の方が早かったのだが、昨年の豪雨の影響を受けて産卵した卵や孵化した幼虫が下流に流されたのではと想像している。
ただ、ここ数日、ゲンジボタルの数が徐々に増えており、最盛期はこれからと思われ、期待しているところである。
ヘイケボタルは、田んぼの畦に生える草の葉の裏に産卵し、孵化すると田んぼに下り、田んぼで成長し、田んぼの畦で蛹になり、田んぼの畦で繁殖と、田んぼが彼らの子孫繁栄の場所なので、昨年の豪雨の影響は最小限にとどまったようである。
この時期、月の出が遅く田んぼの畦は暗いこともあるが、田んぼの畦や田んぼを飛び交う数が多く感じる。
最盛期には、田んぼ一面を飛び交うヘイケボタルの様が、満天の星のようになるといいのだが・・・。
[ホタルの小径の場所]
連なる「田んぼB1」、「田んぼB2」、「田んぼB3」沿いの農道。