耕さない田んぼの稲つくりSTORY
| ふるさとの 野山や川 広々とした田んぼや畑は 自然豊かな 環境の象徴です その一角を担う田んぼを 耕すことなく 肥料や農薬を 一切 必要としない稲つくりが 耕さない田んぼの稲つくり です そして 収穫したお米が 耕さない田んぼの玄米 です |
| 自然界には 土を反転した場所はありません はらっぱや山に 耕した 場所はないのです 植物は その硬い大地に根を張り 命をつないでいます もちろん 稲もその仲間です |
| この稲つくりでは 田んぼを耕すことなく 一年前の稲の 切り株 と 切り株の間に 大人の苗（成苗）を植えます 大人の苗は 頑張って 頑張って 硬い土に 根を張り廻らせて 生長する間に 野生化します 野生化した稲は 病害に強くなるため 農薬（いわゆる 殺菌剤）が要らなくなります |
| この稲つくりでは 稲刈り直後から 水が張られるため 絨毯のように 敷き詰められた稲わらは 水中で分解され それが栄養源となって 大量の植物プランクトンを 発生させます その中の藻類（サヤミドロなど）の光合成活動は 田んぼの水を 大量の酸素を含んだ滝つぼのような水に変え たくさんの生きものが 生息できる楽園に変貌させます |
| 楽園化した田んぼでは 土の中 水の中 そして畦まわりが いろいろな生きもので いっぱいになります もちろん 稲に害を与える虫もいますが その虫を餌にする虫も 大食漢のカエルも生息しています そんな豊かな生態系が 虫害を最小限にするため 農薬（いわゆる 殺虫剤）が要らなくなります |
| 耕さなない田んぼでは イトミミズが 爆発的に増え 一反に 一千万匹以上も 生息するようになります 彼らは目が退化しているため 昼夜を問わず 稲わらと一緒に 微生物や 土を喰らい そして 排泄し 排泄物は積み重なって トロトロ層になります |
| トロトロ層は 水草の種を覆い 日光を遮り 発芽を抑えるため 農薬（いわゆる 除草剤）が要らなくなります そして 稲はトロトロ層の 栄養分で 成長するため 化学肥料どころか 有機肥料さえも 要らなくなります |
| このような自然の営みの中で 栽培される稲は 栽培を重ねるほどに 生育が良くなり お米が美味しくなる 言わば 自然の活力がいっぱい詰まったお米です |
| 自然の仕組みを利用した 耕さない田んぼの稲つくりは 稲つくりそのものに加えて 豊かな自然環境を 象徴する田んぼ そして 田んぼに生息する たくさんの生きものたちを 未来につなぐ 手段の一つと確信しています |
2013/10/02 改訂版